生徒をひきつける力③ 生徒と競争してみる(中学生以上)
(中学生以上)生徒と競争してみる
先生になりたての頃です。
中3の H 君は、教室に入ってくる第一声は、
「先生、何点だった?」。
やる気が無い、でも受験までも日がない。
そんな中で、
私自身が、入試問題を解いて、
20分(試験時間の半分)で何点取れるかを
タイムを計時し、得点を発表したのです。
H 君に触発された中3も競って
授業前に過去問を解くようになりました。
正直彼らがやってくる週3日は
緊張ではありませんが、
結構気を遣いました。
「先生が何点だったのだから、
このくらい取れれば合格点かな?」
そういう H 君の声には
「このヤロー、生意気な。」
という感情は無かったですね。
無事希望の高校に合格はしたものの、
当時の神奈川県は、中2の時の成績と、
アテストと呼ばれる中2の3月の得点で
入れる学校がほぼ決定していたので
H 君の頑張りでは、
中堅校程度で、
本人の悔いは、
「もっと早くから塾に来てれば良かった」
それから3年後、
突然やってきた H 君。
「先生、頑張って K 應大学に合格したよ!」
一緒にやってきた友人も
「こいつさ、高校時代、凄い付き合い悪くて、
でも、学校初の快挙だって。」
ほんの1年に満たない指導期間でしたが、
彼にとっては
一緒にやった(時間差はありますが)あの過去問競争は
その後の勉強にも自分で取り入れたそうです。
今と違って、横浜に
予備校があまり無く
自力で学ぶ時代(今から25年前位)でしたが
彼の意思の強さが
勝ち得た勝利だった気がします。
子どもを惹きつける力って
先生だから何でも知っている、
問題は全部完璧に解けるっていう
知識をひけらかす必要はないのだと思います。
欠点と言えば大げさですが
どこか人間らしさがあるほうが
子どもには親しみが持てる先生と言えそうです。
今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。